地学ガイド- 岩石編
鉱物を見分ける


■鉱物を見分ける

 次の段階は,岩石をつくっている粒=鉱物の種類を見分けることです.岩石をつくっている主な鉱物(主要造岩鉱物)はおよそ次の7種類です.石材での見かけを解説していきましょう.

・石英:無色透明でへき開はなし,他形が多く通常は無色透明なので光を反射しないために黒っぽく見える.

・カリ長石:無色(白色),桃色などでへき開はなし.形は他形が多く,光をあてるとピカピカ反射するが形は一定していないことと,粗粒な           花こう岩ではパーサイト構造(図1)がみえることがあり斜長石と区別できる.また色のついているものは見分けるポイントになる.

・斜長石:無色(白色)で1ないし2方向のへき開が目立ち,形は長柱状〜短柱状で光をあてると長柱状に反射する.大きな結晶では           累帯構造(図2)がみえるものもある.
 
・黒雲母:黒〜黒褐色で1方向のへき開が目立つ.六角形の板状をすることが多く,光をあてるとなめらかな反射面を示す.

・角閃石:濃緑色〜黒色で,124゜と56゜で交わる2方向のへき開が目立つ.形は長柱状で光をあてると鉱物の伸びている方向に平行な          スジがみえる.反射面は黒雲母に比べてガサガサしている.

・輝石:色は褐色〜黒褐色で,90゜に交わる2方向のへき開面が目立つ.形は短柱状で多くは自形結晶で90゜に交わる2方向のへき開          がみえることがある.

・カンラン石:オリーブ色してへき開はない.形はコロコロしたサイコロ状〜粒状で緑色(オリーブ色).ハンレイ岩や蛇紋岩に含まれることがある.


図1:花こう岩中のカリ長石にみられるパーサイト
   構造(大阪市役所1階)


図2:花こう岩中の斜長石にみられる累帯構造
   (大阪市役所1階)