地学ガイド- 岩石編
火成岩

花こう岩

マグマが地下深くでゆっくりと冷え固まってできた深成岩の一種で,石英・カリ長石・斜長石を主として,黒雲母や少量の角閃石などが含まれています.見かけは白っぽくて黒雲母の結晶がゴマ塩のように散らばっていて,結晶の粒が大きくてはっきりと見分けられます.大阪周辺では,六甲山や金剛−生駒山地,北摂の剣尾山などが花こう岩でできています.六甲山の花こう岩はカリ長石がほんのりとピンク色をしていて,全体にピンクがかって見えます.花こう岩は地球上ではもっともふつうに見られる,大陸をつくっている岩石です.

閃緑岩

マグマが地下深くでゆっくりと冷え固まってできた深成岩の一種で,花こう岩と見かけがにていますが,花こう岩よりも色が濃く,緑色がかって見えます.斜長石を主として,角閃石や少量の石英・カリ長石などが含まれています.緑色がかって見えるのは,角閃石が多く含まれているからです.花こう岩や閃緑岩はまとめて「花こう岩類」とよばれることが多く,詳しく調べるには岩石中に含まれている石英・カリ長石・斜長石の割合を調べる必要があり,それらの割合によって詳しく区分されています. 大阪周辺では,茨木市北方から能勢の三草山にかけての地域や,金剛−生駒山地に閃緑岩や石英閃緑岩が見られます.

はんれい岩

マグマが地下深くでゆっくりと冷え固まってできた深成岩の一種で,斜長石と輝石を主として,少量の角閃石などが含まれています.花こう岩や閃緑岩に比べて黒っぽい色をしています.生駒山の山頂の周辺がはんれい岩でできていて,「いこま石」とよばれて石垣などに利用されてきました.

流紋岩

マグマが火山の活動で地上(付近)に噴出して急激に冷え固まった火山岩の一種で,石英やカリ長石の結晶が見えることもありますが,全体に白っぽくてざらざらしたように見えることもあります.はけではいたような筋が見えることがあり,これは流紋岩のマグマが流れるときにできた模様です.流紋岩マグマでできた火山は,北海道の昭和新山のように溶岩円頂丘を形成するような活動が特徴です.大阪の周辺では,箕面や摂津峡などで,砂岩や泥岩に割って入った貫入岩としてみられるほか,和泉山脈の前山にも分布しています.

安山岩 マグマが火山の活動で地上(付近)に噴出して急激に冷え固まった火山岩の一種です.
玄武岩 マグマが火山の活動で地上(付近)に噴出して急激に冷え固まった火山岩の一種です.