自然史博物館 質問コーナー(発言の個別表示)

■発言したひと:植物研究室の岡本学芸員(1998/10/05, 発言番号:81)
Re[1]: ドングリのなる木についての質問
キーワード:ドングリ 常緑樹 シイ カシ 落葉樹 コナラ ミズナラ クヌギ
 日本の国内レベルでは、ドングリのなる木は北から南まである、と答えてよいでしょう。
 ドングリのなる木には、常緑樹のシイやカシの仲間と、落葉樹のコナラ、ミズナラ、クヌギなどの仲間のふたつのタイプがあります。分布パターンがはっきりしているのは、常緑のいわゆる照葉樹林のメンバーで、これは西南日本を中心に分布しています。北へは海岸沿いに分布をのばしており、アカガシ、ウラジロガシは宮城県や新潟県まで分布しています。もちろん、富山県にもあります。
 落葉のものの分布パターンは、常緑のものほどはっきりしません。コナラは本州、四国、九州の雑木林にあり、北海道は南部域にあります。ミズナラはもっと高地や北方の温帯林のものです。クヌギ、アベマキは本州北部まで分布し、北海道にはありません。
 ということで、結局は雑木林などの広葉樹の林があれば、日本ならどこでも何かのドングリに出会えると思います。積雪との関係については、私はあまりはっきりしたイメージは持っていません。
 どんぐりについての本としてまとまったものは今すぐには思い浮かびません。絵本類はいくつかありますが、当館が出している「長居公園のブナ科植物」あたりが一番まとまっているかもしれません。週刊朝日百科「植物の世界」87号には、日本のブナ科植物から出発して、世界のブナ科を解説しています。今でも分冊で買えるのかどうか知りませんが、図書館には合本版があると思います。

【茂似太のコメント】
 岡本学芸員の答えをよく読むと、質問にあった「なぜ富山でどんぐりで遊んだ記憶がないのか」については答えていません。そこで同じ植物研究室の佐久間学芸員が、”富山のどんぐりの謎”の部分についてコメントしてくれました。

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