自然史博物館 質問コーナー(発言の個別表示)
■発言したひと:昆虫研究室の金沢学芸員(2003/12/07, 発言番号:48)
Re[1]: 昆虫の眼についての質問
キーワード:複眼 単眼
昆虫の成虫のほとんどは複眼を持っています。でも一つの物体が多数に認識されているとは限りません。それは、ヒトの目が二つあるのに、一つの物体が二つに見えない(実際には二つに見えているのですが)ことと同じことです。実証されていませんが、私は人間が見ているように、昆虫も見ているのではないかと考えています。神経の働きにより、複数の映像を合成しているかもしれません。昆虫の種類によって、色の見え方はヒトと違うかもしれませんが、形はたぶんヒトといっしょのように見ていると思います。
問題なのは、昆虫がどういう風にまわりを見ているか,正確に把握する手段がないことです。昆虫だけでなく、同じヒトどうしでも、同じようにまわりが見えているかはわかりません。あなたが赤と思っている色を、他のヒトが本当に同じ色に見えている、という確信をあなたは持てますか?
次に、どうしてこんな進化をしたかということですが、単眼というものが昆虫の目として最初にできたのでしょう。多くの幼虫と成虫にある単眼は、像をとらえるというより、外界の明暗を感じる器官と言われています。その単眼を複数もつことにより、物の遠近を把握できるようになったと思います。さらに数を増やしてきれいに整列させて複眼にすることで、物の形を認識できるようになったのかもしれません。これらの進化の過程は、単眼を拡大して多機能化するより、複眼にする方が小さな昆虫に合っていたことや、いくつか壊れても、なんとか見ることができる、という利点があったのかもしれません。結論として、昆虫の目についてはわからないことが多いというのが現実でしょう.
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